皆さん、初めまして!ブログ第4週目、海外担当の高橋知成です。
タイトルには仰々しいことを書いていますが、今回のテーマは、旅の途中でふと見つけた標識によって気付かされた「異文化理解って日本人にとっては苦手だよね」です。
環境に合わせた工夫
9月30日に香港からスタートした今回の旅は、ベトナム、カンボジア、タイ、と巡って執筆時は、スリランカに来ています。
東南アジアの3カ国とスリランカは、まさに急成長中という印象です。街には、人と物が集まり、あちこちでクラクションが鳴り響きパワーが溢れに溢れているのを肌で感じることができます。
なかでもベトナムは、皆さんご存知の通りのバイク大国。
「バイクタクシー」が安くてメジャーな移動手段なので、何回か乗りましたが、時にはこんな無茶な乗せられ方も。(お尻が半分空中に浮いていました)
原付バイクは、安くて燃費がいいので、発展途上国を中心に多くの人が使っている移動手段です。
ただ、街の中心を少し離れると建物の数がとても少なく、掘建小屋、畑、林などが多くなってきます。大きなタンク、ポンプ、メーターなどの設備を備えたガソリンスタンドはありません。
その需要に応えているのが、このガソリンスタンドならぬガソリン屋台です。使用されているのは、有名飲料会社のペットボトル。ガゾリンはやはり1リットル単位での取引がメジャーなので、メーター設備などが無くても、ペットボトル1本単位で販売していることで取引が成立するんですね。
他にも、まだまだインフラが整えられているわけではなく、定期的な停電がある地域もあります。なので、昔ながらの方法であったり
時にはちょっと強引な方法でも工夫をして生活をしています。
観光大国タイ
なかでもタイは、外国人観光客数が日本より多い国なんです。
毎年2235万人もの人々が世界各地から訪れている国。もちろん日本も素晴らしい観光資源を持っていますが、何の原因があるのでしょう。1つの大きな要因としてはやはり、Wi-Fi設備の充実だろうなと考えています。日本でも最近になって、駅などに公共Wi-Fiが増えてきましたがこれらの国と比べると雲泥の差です。
宿はもちろんのこと、レストラン、お土産売り場などでWi-Fiを提供しています。何か商品、サービスを買えばパスワードを教えてくれます。なので、山奥にでも入らない限りはインターネット環境にはさほど困っていません。また、物価の安さなどもあり、観光地や市街地は、外国人で賑わっています。
異文化コミュニケーションによって生まれた標識
今回は、大勢の外国人が訪れるということに焦点を当てましょう。
大勢の外国人が訪れるということは、異なる文化的背景を持った人どうしのコミュニケーションが発生することになります。その産物として生まれたと考えられる標識を紹介します。
バス内の公共標識
これはタイのバスの車内に貼られているものです。
これらは日本でもお馴染みのものです。優先席を示すものですね。これに加えて仏教国ならではのものがこちら
現地の人にとってお坊さんは、敬意の対象であり、席に座らせてあげるのが当たり前な人。
でも、外国人にとっては直ぐにはピンとこない事です。まして、宗教に関心の低い日本人ならなおさら。
そんなお坊さんも公共交通機関を利用したりなど、日常生活の中での接点が数多くあります。
たまたま今回この席に友人が座っていたら、お坊さんが乗ってきたのですが、周りの人から「席を空けなさい!」と、少し強めの声で言われてしまいました。過去に何度も同じような事が起こり、トラブルになったりした事もあるのかもしれません。ただ、今回はこれを見つけて友人は直ぐに状況を理解したようでした。
こちらは同じく仏教国のスリランカの駅の標識です。
お坊さん用のレストルームと外国人用とが明確に示してあり、知らずに間違って使うのを防いでいます。
お坊さんを、アイコンと色によって表現したこれらの標識は、現地の人と外国人、両者にとってとて大切な役割を持っています。
「お坊さん」という、あまりメジャーではない単語
「clergy」=「お坊さん」という、使用頻度が低い単語。それを、アイコンにより視覚的に表現することにより「clergy」を知らなくても現地の人は、これを指差せば席を空けなければならないという事の説明を補完することができます。外国人にとっては、これを見ることにより、お坊さんの優先席というものがあり、それはこの国ではとても一般的なルールなんだ、という事を認識することができます。なので、現地の人に注意されたという体験による強めなストレスを和らげてくれますし、それがトラブル回避にも役立っていると考えられます。
まとめ
日本人にとっての異文化理解
日本人にとって、異文化理解の機会は他の国々と比べると少ないと言われています。確かに、自分の普段生活を考えてみると、日本人以外とコミュニケーションをする時間はあまりありません。
ただ、異文化理解の機会を作ろうとすれば、SNSを利用してコミュニケーションをしてみるなど、簡単にできます。
また、インタビューやユーザーテストなども、意識して行うことで異文化理解の様々なノウハウを溜めることができます。
文化的背景の違いという視点を持ち、グローバルフレンドリーなデザインアプローチをしていきたいです。