デザイナーがハッカソンを楽しむための心構え。
- ハッカソン
ヤマモリの回、初回は最近業界内でブームのハッカソンのお話をさせていただきます。
ハッカソンとは
Hack+Marathon
ハックとマラソンと組み合わせて「ハッカソン(hackathon)」
一定の限られた時間で、チームや個人がアプリなどを開発するイベントです。
アイデアレベルから、モックや主要機能が動くところまでを短期間で作り上げていきます。
ハッカソン今昔
デザイナーとして私がハッカソンという開発イベントに出始めたのが、2011年ごろ。
まだデザイナーの参加が少なく、IT業界でもエンジニアさんのお祭りという印象でした。
初めて参加してみたのが MashupAwards7での地方ハッカソン。2日間で、知らないエンジニアさんと無差別にチームを決められてのアイデア出しと開発というのが初めてのハッカソンでした。
その時点でのデザイナー参加者は私1名。
もちろん、ハッカソンてどうやって進めていくの?何をどこまで作ればいいの?進め方もAPIをどう使っていくのかもわからない!という状態でのスタートのため、「参加しなければよかった」感が強かったのは今でも覚えています。
この時点でのデザイナーの役割は、言われたとおりに作るしかないのだと思っていました。
最近のハッカソンブームの傾向
最近は週末ごとにハッカソンが各地のどこかで行われている状態。
ハッカソン飽和状態であるけれども、参加者がどんどん増えているのかというとそうでもなかったりで、ハッカソン常連の人が色んなハッカソンに参加するという傾向もあるようです。
首都圏にイベントが集中しているために地方からの参加が困難という点も、地方に住んでいる者として周囲からそんな声も聞こえてきます。
ハッカソンの分類
最近のハッカソンの種類を、おおまかに分けてみました。
参加人数も増えて抽選になっていたり、企業が新規事業のために取り組んだり、
コンテストに向けて好きなモノを作るだけでなく、色んな問題解決のために行われたりと多種多様になってきています。
デザイナーがハッカソンで楽しむには
これまでも、いろんなハッカソンはこうだ!デザイナーも出よう!という記事をみてきましたが、
デザイナーも出た方がいいんだという訴えは、まだ広まりきっていない感じもします。
初めてハッカソンにでると、
- 何をしていいのかわからなかった
- コミュニケーションが難しかった
- 言われたものを作ったあと、時間が空いてしまった
ということになるかと思います。
その原因としては、
- 初めてのチームでやり方がわからない
- アイデアの内容を理解できていない
- この機能は実現可能なものなのかわからない
- 時間内でどこまで作るのか判断がつかない
のような事があげられたりします。どうしても要領よく立ち回れず、“使われる側”になりがちです。
何度も参加して慣れることも楽しむための手段なのですが、初めてのハッカソン体験によって「もういいわ。出ない」という人も出てきます。
そうならないためには、日頃の仕事と同じようにデザイナーからのアイデアを出したり、得意分野を活かした役割を見つけ率先して動いたりする事がハッカソンにおいては重要になります。
とはいえ、仕事ではないので楽しんで参加したしたいですよね?
それにはまず、デザイナーの枠を超えた新しいチャレンジをする!という気持ちを持つことが必要だと思います。
ハッカソンでの役割
最近では、既存のチームや会社の仲間でチームを組んで参加というハッカソン参加者が少なくありません。
そうではない場合、個人で参加するとその場での即席チームになります。
そんな中、ゼロからアイデアを考えるところからの参加というのはなかなかハードルが高い!
アイデアも考えれず手もすすまずの状態では、その時間が苦痛なものにしかなりません。
逆にエンジニア側からしたらどうでしょうか?
「デザイナーは何ができるの?何を頼んでいいの?必要あるの?何したいの?」
と、思っていたりするのではないでしょうか。デザイナーとの協業が慣れているエンジニアさんばかりが参加しているとは限らないのです。
短時間でエンジニアとチームになってただ成果物をただだけではなく、コミュニケーションをとりどれだけチーム力をあげるのかも課題になってきます。
デザイナー側から、率先していろいろやるのも重要ですが、まず同じチームになったデザイナーが何ができるのかをエンジニア側に理解してもらう事が必要です。
大丈夫です!エンジニアさんは怖くありません!>(゚∀゚)
最低限、まずはアプリの見た目。ロゴやパーツを作るのが第一歩。
次に欲を言えば、UIを考えてHTML・CSSで組む(必要な場合)
最終的には、魅せ方ひとつで変わるセンスのいいプレゼン資料を作る。
まずはその3段階を、エンジニア側にも理解してもらえると進みがはやくなることでしょう。
役割が決まると自動的にゴールまでの時間配分や、どこまで作るのかが解っていくので、デザイナーも手があまることなく時間いっぱい活躍できます!
デザイナーの特性を活かす
エンジニア側、デザイナー側でできることの理解やいろんな面での歩み寄りが必要になるのは、業界的には当たり前のことだと思いますが、その力を養うのにハッカソンに参加することはオススメです。
会社では作らない、好きなものをエンジニアと協力して作ることはモチベーションアップにもつながります。(体力が必要ですが!)
デザイナーの特性として、
- 課題解決やテーマがあると考えやすい
- よりユーザーに近い目線で考える
- トータルでブランディングできる
という点をうまく役割として発揮出来る場があると、参加しやすいのかもしれません。
最近ではオープンデータを使って、地方の問題解決のためのアプリを作るハッカソンも多く、問題や課題解決が得意というデザイナーには向いているものもあります。新しいものを生み出したいタイプのデザイナーには、スタートアップ系でゆくゆくは事業化するという目標があるものが向いているかもしれません。
色んな企業がハッカソンでの案を新規事業にとりあげたりすることも増え、大企業やテレビ局がやる目的を絞ったハッカソンも最近の特徴。車や文房具やお酒、テレビの番組など、どんどん身近なものも対象になってきているので、そこに参加するのも楽しいでしょう。
毎回、自分なりの小さな目標を持って参加したり、人とのコミュニケーションを楽しんだり、新しい技術を試してみたり…皆それぞれ何か目的を持って参加すると、デザイナーも楽しめるハッカソンになるのは間違いないと思います。
最後に
まとめると、
- 自分のアイデアを持つ、意見を言う
- デザイン以外の事もチャレンジしてみる
- チーム内で、出来る事や役割を把握
- 自分に合った(興味のあるもの・得意分野)種類の、ハッカソンに参加してみる
- 参加するときは、小さくてもいいので目標をたてる
過去、初心者デザイナー向けのハッカソンを開いた事がありますが、最初は小難しく考えていても一旦やりはじめてしまえば楽しいものだと思います。ただその入口として、こんな事を頭において参加してみると、もっと楽しめるのではないでしょうか?
最近参加したハッカソン
- MashupAwards11 (北陸ハッカソン/ 折り返し翻訳辞書)
- SPAJAM2015(北陸予選代表・ファイナリスト)