持ち帰る、ということを少しずつやめてみる

  • ミーティング
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クライアントとミーティング中に、ヒアリングだけして何もチームに共有せずに、自分のためのメモだけを頼りに次回に提出なんてのが今時あるのだろうか?

自分のメモをノートやパソコンに残しても、そのメモが相手の認識と合っているかを確認するためには、その場で何らかのイメージを描いて可能な限りディスカッションしなければデザインの仕事は厳しいと思う。

議事録というのはあくまで会話の記録でしかなく、経験上、課題へどうアプローチを仕掛けるか?というディスカッションが双方で活発に行われないと重要な記録すら残らない事が多い。

ミーティングの時間の中であーだこーだと考えをぶつけ合うことが必要であって、その会話もなく黙って相手の話だけを聞き、持ち帰るなんてもったいないことだ。

ミーティングで今話すべきことが何なのか?を考え、イメージ共有できた部分を持ち帰る、という理想をなるべく実現するように心がけている。

その場でデザインツールを使ってはダメなのか?

手書きで絵を起こしてみることはあるが、Sketchのようなデザインツールで画面を起こしてみることはアリだろうか?私たちは場合によってはアリだと思う。

なぜなら手書きでもSketchでもIllustratorでも描ける速さが変わらないことがある、なにも手書きが全てではないというのが持論である、つまり状況に応じてツールはなんでもいい。

主目的はイメージの共有だ。

昔はクライアントの前でIllustratorなどを使って作業をすることを見せるのはご法度としているデザイン会社があった。

「そんな簡単にすぐ作業できるところを見せると先方に安く見られてしまう」
「こんなに簡単につくれるならそんなに費用はかからないと思われるから持ち帰ろ」

という後ろ向きな価値観であり、実は今でもそんな価値観でデザイン費用を見積もっているデザイン会社もあるようだ。

チームなんだから自分たちの手の内はいくらでも見せてしまえばいい、本質を見極めれば何も失うものはない。

アプリケーションが便利になって、いわゆるデザインオペレーションだけでは対価は今後低くなる一方だろう。

ミーティング中にどんどんイメージが起こされていくことで、結局はクライアントの興味や信頼、あるいは上下関係なしのお付き合いが始まるものだと思っている。

ミーティング中にイメージを描く大切さ

今までヒアリングだけして持ち帰るデザイン会社ばかりと取引していたクライアントが私たちとお付き合いさせてもらうことになったとき、ミーティングで絵やラフがどんどんできていく驚きを未だ味わったことがないと議論に対しても意欲的になってくれる。

ヒアリングは大事だけど、聞いただけで双方の認識が全くズレていないことはほぼ稀だと言える。

また、クライアントの考えもまだまとまっていないことがあり、そういった状況の中で持ち帰って期限内にデザイン案を数案、なんてのは大抵ズレを引きずったまま時間だけが過ぎることが多い。

もっとも有能なディレクターであれば、不明確な部分だけを洗い出してできることから進めるようなコントロール方法を持つ人もいるが、規模の小さい案件はデザイナーが一人でまとめなければならない。

ヒアリングだけして持ち帰るのでは無駄が多い、という経験上の結論に至る。
ヒアリングだけで終わるミーティングというのは実に無意味であることが多い。

意見の飛躍や散乱はチャットに投げればいいのでは?

 意見の散乱はグループチャットが効果的だった、ミーティングの場と時間はとても貴重だから。

こういうアプローチもない?とか、将来はこう業界全体を変えていきたいですね、とか突拍子もない飛躍した考えでもいい、四六時中考えては、なにか思いついたときにクライアントとのチャット部屋に思いつきを投げ込む、私たちにとっての意見の散乱の場はなるべくミーティングにはやらないことが多い。(やってはいけないというわけではないが)
アイデアなんてそう簡単に降ってはこない、だから言えるときに言う状況や関係性をつくっておくのも大事。

チームに最低限一人は必要な存在

ミーティングで持ち帰ってもいい課題と、いま持ち帰ってはいけない課題を見分けて、積極的にイメージを起こすことは、デザイナーの大切なスキルのうちのひとつだろう。

チームでそういった存在が最低でも一人は必要だと考えている。

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Akiba Hideki
Akiba Hideki @Hidetaro7
あくまで仕事の中で感じたこと、雑感、正しいかどうかは分からないが、今素直に思うことやチャレンジしたいことを書くためのブログ。デザインと技術について。

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