ビジュアルデザイン界隈においてオープンソースななにかはできないのかなという話
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ちょっと前から考えていることがあります。
Linux、Firefoxなどをはじめ、いまや数えきれないほどのさまざまなオープンソースのプロジェクトがあります。
これらは(超かんたんにいうと)システムをどうやってつくっていくのかという根幹のプログラムを共有しているものだとわたしは認識している。
こういった手法は、ビジュアルデザインにはやっぱり通じないのだろうか?
オープンソースなプロジェクトとは
オープンソースなプロジェクトについては、こちらを参照してください。
(ここでは、OSS:オープンソース・ソフトウェアについて述べています)
オープンソースソフトウェア(英: Open-source software, 略称: OSS)とは、ソースコードが利用可能で、著作権保持者がどんな目的のためでもソフトウェアを、学習、変更、そして配布するための権利を提供するというライセンスに基づいたソフトウェアである[1]。オープンソースソフトウェアは何れも共同で開発されている。
オープンソースソフトウェア – Wikipedia
かんたんにいうと
- システムをつくったコードをぜんぶオープンにしますよ
- 好きに使ってくれていいよ
- 自分のプロジェクトにあうように改変もして使っていいよ
- バグfixとか、機能要望とか、あったらおしえてね、よかったら取り入れるよ
というものだと認識しています。
もう少しわかりやすいたとえでいうと。。
クックパッドのコンテンツなんかも、考え方によっては実はオープンソースの一種かもですね。(クックパッド全体ではCGM:消費者生成メディアですが、コンテンツ自体はオープンだ、という意味で)
- 自分のオリジナルのレシピをオープンにしますよ
- 好きに使ってくれていいよ
- 自分の味覚にあうように改変もしていいよ
- もっといい方法があったらおしえてね
ただ、上のシステムの話とちがうのは、最後の「よかったら取り入れるよ」の部分がないとこですね。
つまり、フォークはやり放題だが、プルリクしてメインストリームに戻すところが存在しない。発散型である。
システムにも、いろいろなオープンソースの形があるので、クックパッドと同じように「よかったら取り入れるよ」の部分がない、発散型のオープンソースプロジェクトもたくさんある。
(最近ではGithubなどで公開している場合は、だれからでもプルリクを受け付けられるものも多くあるが)
こうやって考えてみると、世の中にはオープンソースなコンテンツがけっこうたくさん存在していることがわかる。
プログラムが、オープンソースにして得ることができるメリット
システムをつくっているプログラムがこういったオープンソースな手法をとりはじめたのにはどういった背景があったのだろうか。
オープンソースの話で欠かせないのはやはりLinux。そしてその生みの親、リーナス・トーバルズ。
こうかいてある。
もしオープンソースにして自由に使えるようにしていなければ、Linuxが今のようになることはなかったということです。
これは、たしかに大きい。
ひとりの知恵よりみんなの知恵。行き詰まっても、だれか(知らない人)が解決してくれる。(ただしこれにはコミュニケーションが必要だが)
自分に身近な例だと、某@mhidaka氏が、オープンソースでみんなでつくるプロジェクトをわりとたくさん進めている(いた)。
みんなでつくるAndroidアプリの教科書
これは他にあまり例がないと思ったのが、みんなでつくる教科書シリーズ。
Re:VIEWという書籍をビルドできるツールセットがあるのだが、それ自体をGithubに公開。
本の内容は各自で書き、コミットする。もちろんその内容に対してのプルリクも、だれでも送ることができる。
こうして、気づいたら勝手にコンテンツが増えて、本になっているということだ。なんとすばらしい。
TechBooster/AndroidOpenTextbook: オープンソースで作るAndroidの教科書です
Android技術者のためのイベント、Droid Kaigi
当日のイベントアプリを、Githubで管理。
つくりたい人がつくりたいところをつくる。
DroidKaigi 2016 公式アプリ – Google Play の Android アプリ
実際には管理についてももろもろあるが、それはこちら。
DroidKaigi 2016 公式アプリのOSS成功要因 – Konifar’s WIP
ビジュアルデザインにそのやり方は通用するか?
今までに、上のようなたのしいプロジェクトに参加させてもらって、さらにオープンソースの話を知っているデザイナーとしては、こういったしくみがなにかビジュアルデザインにも生かせないかな、と考えてしまう。
デザインという特性上、どれが正解!という判断ができないのがいちばんのネックではあるが、なにかしらプロジェクトにならないだろうか。
おそらく、発散型になるのは目にみえている。
リーナスも、上でこういっている。
他の領域でも、オープン・ポリティクスなどについて議論されていますが、同じ原理を他の領域にも適用できるとは言い難い場合があります。黒か白かがグレーになるだけでなく、他の色まで出てきます。
デザインはまさに、黒か白かがグレーになるだけでなく、他の色まで出てきます。
・なにがいいのかの判断がむずかしい
・メインストリームに取り入れる…ことはあるかもしれないが、ほとんどの場合はむずかしい
のが正直なところ。
いちばん近いのは、ブログやCMSなどのテンプレート(テーマ)制作かなと思う。
スケルトンのフレームがおそらくあって、それに、使う人にあわせたビジュアルデザインをひとつずつ作っていく。
これについて考えると、やはり発散型になると思う。(さっきのレシピの図と同じ)
もし「こうしたほうがいいんじゃない?」という提案をデザイナーが送ることができたら、それはある種のアップストリームになりうるかもしれない。
しかし、テンプレート制作に関して言えば、あんまりオープンソースなプロジェクトという認識はないような気がする。
デザインテーマを作りたい人たちを使って、大量に作ってもらう、というちょっと体育会系的なノリを感じてしまう。
まとめ
ぜんぜんまとまっていませんが。。
ビジュアルデザインについても、なにかしらオープンソースなプロジェクトができないものか。
実際やろうとすると、たしかに、リーナスのいうとおり、白黒グレーだけではなく、赤や黄色、青といったたくさんの色が出てきます。
さらに、なにがいいかの判断がむずかしいという理由から、「ああ、そういうやり方もあるよね」という評価で終わってしまい、スケールしないのもなんとなく見えてます。(発散して終わるだけ)
まあなんのデザインをするかにもよりますが。
今回ずっと「ビジュアルデザイン」といってきたのは、おおむねWebサイトやアプリのデザインの頭で話していました。
ただ、これが「ミニマルなプロダクトデザイン」とかにしぼると、もしかすると白黒がはっきりして、なにかしらオープンソース/アップストリームの考え方が応用できるのかもしれません。
それについてはまた次回に。
ツクロアでは引き続き、コーダーとデザイナーの募集をしています。